無垢フローリングは、その温もりや自然な風合いが人気で、住宅の床材として根強い人気を誇っています。
しかし、自然素材ならではの弱点もあり、条件がそろえば“カビ”が発生することもあるのをご存知でしょうか?
この記事では、「無垢床にカビが生える原因」「日常的にできる予防策」「万が一生えてしまった場合の対処法」まで、実用的な情報を分かりやすく解説します。
無垢材の美しさを長く保つための基礎知識として、ぜひ参考にしてください。
無垢床にもカビは生えるの?
無垢材は天然の木そのものを使ったフローリング材です。
調湿性に優れ、見た目も温かみがあり、経年変化も楽しめる素材ですが、自然素材ゆえに水分を吸いやすく、湿気や汚れに弱い一面があります。
そのため、空気中の湿度が高い状態が続いたり、床の上に水分や皮脂汚れが残っていたりすると、表面や隙間にカビが発生することがあります。特に、換気が不十分な部屋、直置きの布団や家具の下など、湿気がこもりやすい場所では注意が必要です。
無垢床にカビが生える主な原因
ホコリや髪の毛などの汚れ
床に落ちたホコリや髪の毛は、実はカビの栄養源となります。
見た目には小さな汚れでも、放置しているとカビが繁殖しやすい「土壌」になってしまうのです。
床表面のキズに溜まった汚れ
無垢床は柔らかくキズが付きやすいため、細かなキズに汚れが入り込むと、そこに湿気が溜まり、目に見えないうちにカビが育っていることもあります。
湿気・結露・換気不足
浴室近くの床や、冬場に結露が発生しやすい窓際の床、さらには布団やマットレスを直に敷いている場所は、湿気が逃げにくく、カビの好環境になります。
無垢床にカビを生やさないための5つの予防策
① 定期的に床を掃除する
最低でも週1回は掃除機やフロアワイパーでホコリやゴミをしっかり除去しましょう。
汚れが溜まりにくい環境を作ることが第一歩です。
② 床を汚したらすぐに拭き取る
飲み物をこぼしたり、水気のあるものを置いたときは、すぐに乾いた布で拭き取りましょう。
湿気は残さず、乾燥した状態を保つことが大切です。
③ 換気を徹底する
窓を開けて空気を循環させることで、湿気がこもりにくくなり、カビの繁殖を防げます。
特に雨の日や冬場は換気を意識的に行いましょう。
④ 布団と床の間に吸湿マットを設置する
床に布団を直置きしていると、就寝中の汗や呼気の湿気が床に移ってしまいます。
吸湿シートやすのこマットを敷くことで、湿気を逃がしやすくなります。
⑤ 結露を防止する
窓際の無垢床は、冬場の結露が染み込むことでカビが発生しやすくなります。
結露防止シートや断熱フィルムを活用し、窓際の湿度上昇を防ぎましょう。
無垢床にカビが生えてしまった場合の対処法
「気をつけていたけど、うっすらカビが…」という場合でも、初期段階であれば自分で対処可能です。
消毒用エタノールで除去する
- カビが見える範囲に消毒用エタノール(濃度70〜80%)をスプレーします。
- 2〜3分放置してから、清潔な乾いた布で優しく拭き取ります。
- 拭き取った後は、風通しの良い場所でしっかり乾かしましょう。
※強くこすりすぎると、床の表面を傷つける恐れがあるため注意。
●重度の場合は専門業者へ
カビが広範囲に広がっている、色素沈着している、異臭がするなどの場合は、無理に自分で除去せず、専門のクリーニング業者に相談することをおすすめします。
まとめ|無垢床の魅力を守るには“湿気対策”と“日常のひと手間”がカギ
無垢床はナチュラルで心地よい床材ですが、湿気や汚れに弱いという性質も持ち合わせています。だからこそ、日々のちょっとした気遣いや習慣が、カビの発生を未然に防ぎ、美しい状態を長く保つためにとても重要です。
- 定期的な掃除
- こぼしたらすぐ拭く
- 換気と湿度管理を心がける
- 湿気のこもる場所には工夫を
これらのシンプルな習慣が、無垢床の美しさと清潔さを長持ちさせるカギとなります。
無垢床を“育てる”ように楽しみながら、大切な空間を清潔で快適に保っていきましょう。