近年、畳の需要は減少傾向にあり、住宅にフローリングを採用する方が増えてきています。
畳を採用する新築ももちろんありますが、それ以上に畳をフローリングにリフォームするほうが多くなってきているのが現状です。そのため、世間の風潮的や自身のライフスタイル的にも、畳をフローリングにリフォームしようと検討していらっしゃる方も少なくないのではないでしょうか。
当記事では、畳をフローリングにするメリットや、実際にフローリングにリフォームする際の注意点などを解説します。これからリフォームを検討している方は、内容を参考にフローリングにリフォームする価値について確認してみてください。
目次
畳をフローリングにリフォームするメリット
畳をフローリングにリフォームするメリットには、以下のようなものが挙げられます。
【畳をフローリングにリフォームするメリット】
- 掃除がしやすく、ダニの発生を抑えられる
- 家具や重たい物を置いても跡がつきにくい
- メンテナンスが楽になる
- インテリアの幅が広がる
畳は、ほこりや細かいごみなどが隙間に入り込んでしまい、掃除やメンテナンスの手間が多くなりがちです。
一方、フローリングにリフォームをすることで、その手間を省くことができます。
掃除がしやすくなることで清潔な状態を保てるようになり、ダニの発生抑制にも繋がります。
また、家具の跡などもつきにくいため、長いスパンで見ても、きれいな状態を維持しやすくなるでしょう。
また、部屋の雰囲気やインテリアにこだわりたい人にとっては、畳の部屋は和のイメージに限られてしまうため、コーディネートが難しいです。
その点、フローリングならインテリアコーディネートの幅が広がり、自身のイメージ通りのお部屋に近づけることができるでしょう。
畳をフローリングにリフォームするデメリット
掃除の手間がなくなるという大きなメリットを持つフローリングへのリフォームですが、以下のようなデメリットも存在します。
【畳をフローリングにリフォームするデメリット】
- 足元が冷え、疲れやすくなる
- 時間と費用がかかる
- 床材によっては水に弱かったり、こまめなメンテナンスが必要になったりする
素足で過ごすことが多い日本人にとって、畳はクッション性があるほか、防寒対策にも適しています。
しかし、フローリングは畳ほどのクッション性がないために(直貼りフローリングを除く)、長時間立っていたりすると足が疲れやすくなるほか、足元が冷えやすくなります。
夏場は問題ありませんが、冬場になると足の冷えに苦労することもあるため、床暖房を取り入れるほか、暖かい靴下を履いて過ごすなどの対策を必要となる可能性があります。
また、リフォームの方法や床材の種類によっては、時間と費用が多くかかってしまうこともデメリットといえるでしょう。
こまめなメンテナンスが必要なものになると、その分費用もかさんでいきます。畳よりメンテナンスが楽だからと横着せず、水をこぼしたらすぐに拭き取ったり、乾燥させたりすることが重要になってくるでしょう。
畳からフローリングにリフォームする方法は2つ
畳からフローリングにリフォームする方法は、以下の2種類があります。
それぞれの特徴やメリット・デメリットを理解し、最適な方法を選択しましょう。
【畳からフローリングにリフォームする方法】
- 畳をはがしてフローリングに張り替える
- 畳の上からフローリングを重ね張りする
畳をはがしてフローリングに張り替える
一つ目の方法は、今ある畳を剥がしてから、下地材の補修などを行った後にフローリング材を張る方法です。
畳を剥がして張り替えることで、段差もなく本格的な仕上がりになるのが特徴です。
他にも、フローリング材の種類が豊富なので、インテリアに合わせて好みのフローリングにできることや、畳をなくすため湿気がこもらず、ダニの発生を予防できることなどのメリットがあります。より綺麗な仕上がりを望むなら、張り替えを選択すると良いでしょう。
デメリットとしては、費用と時間がかかることや、本格的なフローリングになるため、冷え対策や防音対策が必要になってくることなどが挙げられます。部屋の広さや張り替えるフローリング材の種類などによって、かかる費用や時間は変動します。費用を抑えるために、DIYしようと思ってもかなり難易度が高いので、できる限り業者に依頼しましょう。
畳の上からフローリングを重ね張りする
もう一つの方法は、今ある畳の上からフローリング材を重ねて張る方法です。ただ、この工法は接着剤を使わないでも、ズレない特殊なフローリングが出てきたことで行われるようになったもので、仕上がってから不具合が起こる可能性が高いといえます。
畳を剥がす大掛かりな工事より、簡易的で手軽に行えます。
フローリング自体はネットや店舗にて簡単に購入できるため、DIYすることも可能です。
費用と時間がかからず、簡単に自分でできるというメリットがありますが、その分デメリットもいくつかあります。
一番のデメリットは、フローリングを敷くことで畳の上に湿気やほこりが溜まってしまい、ダニの発生に繋がってしまう点でしょう。また、フローリングを一度敷いてしまうと、発生したダニに気づきにくくなってしまいます。さらに、畳が傷みやすくもなるので、定期的にフローリング部分を外して掃除やメンテナンスをしなくてはいけなくなるでしょう。
畳をフローリングにリフォームするのにかかる費用
畳をフローリングにリフォームする際の費用は、フローリングの種類によって異なります。フローリングの種類は、以下の2種類があります。
- 複合フローリング
- 無垢フローリング
また、施工面積によっても費用に差が出てくるので、以降では「フローリングの種類」と「施工面積」の2点を踏まえて費用相場をご紹介します。
複合フローリング
複合フローリングとは、複数の合板を張り合わせた上に、薄くスライスした天然木や化粧シートなどを張り付けたフローリングで、傷や汚れに強いという特徴があります。「合板フローリング」と呼ばれることがあり、無垢フローリングに比べると、使い勝手が良く、価格が安くなります。
畳から複合フローリングにリフォームする際の相場は、以下の通りです。
施工面積 | 相場 |
---|---|
6畳 | 12〜16万円 |
8畳 | 14~20万円 |
10畳 | 16~24万円 |
12畳 | 18~28万円 |
20畳 | 30~44万円 |
複合フローリングは、無垢フローリングに比べると安価になります。張り替えのほうが上質な仕上がりにはなりますが、その分手間もかかるので、高額になります。大掛かりな工事をしたくない場合には、費用も抑えられる複合フローリングの重ね張りにすると良いでしょう。
無垢フローリング
無垢フローリングとは昔から使われているフローリングで、天然木を100%使用し、一枚板の床材に加工したフローリングです。自然の天然木ならではの木目調や温かみ、高級感を楽しめるのが特徴です。その分、複合フローリングに比べると価格が高く、メンテナンスが大変という面もあります。
畳から無垢フローリングにリフォームする際の相場は、以下の通りになります。
施工面積 | 相場 |
---|---|
6畳 | 13〜18万円 |
8畳 | 16~22万円 |
10畳 | 19~27万円 |
12畳 | 23~33万円 |
20畳 | 35~50万円 |
天然木ならではの魅力がある無垢フローリングは、複合フローリングに比べて費用が高額です。仕上がりは上質なものになりますが、木材によっては傷がつきやすいほか、定期的なワックスがけが欠かせなかったり、伸縮や反りが起こりやすかったりするため、綺麗な状態の維持にも費用がかかることを想定しましょう。
畳をフローリングにリフォームするまでにかかる日数
畳をフローリングにリフォームするまでにかかる日数は、リフォームの方法によって異なりますが、平均して1~3日ほどで終了します。DIYとしてでもできる重ね張りのリフォーム方法なら、1日で終わることも多いです。自身で行う場合は、全ての家具の出し入れなどに時間と労力がかかってしまうでしょう。
一方で、張り替えのリフォーム方法の場合なら、2~3日かかることもあります。畳を剥がして、下地の調整をし、フローリング材を張るという工程になるため、重ね張りより時間がかかります。下地の状態や、フローリング材を張った後の仕上げ次第によって、多少時間が前後します。張り替えは、業者に頼むことがほとんどなので、事前に工事日数などを聞いておくようにしましょう。
マンションで畳をフローリングにリフォームする際の注意点
フローリングは畳より使い勝手が良いため、リフォームでよく採用されるおすすめの床材です。しかし、リフォームに利用する際にはいくつかの注意点もあるので、押さえておきましょう。
【マンションで畳をフローリングにリフォームする際の注意点】
- 湿気を確認する
マンションに限らず、フローリングは畳より湿気が多くなるため、注意が必要です。マンションでは大規模な張り替えの方法より、重ね張りの方法を選ぶ場合が多いですが、重ね張りはもともとの畳に湿気を帯びていると、蓋をしてしまう状態になるので特に注意が必要です。カビの発生に繋がらないよう、事前に確認しましょう。
- 防寒・防音対策をする
フローリングは、畳に比べると防寒性と防音性が低くなります。地域によっては、より冷えを感じることになるので、フローリングの下に断熱材を敷くことや、床暖房・ホットカーペットの使用を検討してみてください。マンションの場合は、防音対策も特に注意が必要です。マンションによっては防音基準があるので、その基準を下回らないように、工事日においても気を付けましょう。
- フローリング以外のリフォームやインテリアを考慮する
もともと畳があった部屋は、和室であることが多いです。床の部分がフローリングになっただけだと、床とその他の内装が気になってしまうこともあります。壁や建具なども全て洋室仕様にすると、その分料金も時間もかかるので、あらかじめフローリング以外の内装やインテリアについても自身でイメージをしておきましょう。
畳からフローリングへのリフォームはDIYできる?
畳の上からフローリングを重ね張りするリフォームなら、DIYで行う人もいます。
しかし、フローリングにするリフォームは、なるべくプロである業者に依頼することをおすすめします。
張り替えの場合、畳を剥がしたり撤去したりする作業は、DIYに慣れている人でもかなり難しい工程です。
重ね張りもDIYにしては大掛かりな作業になるため、初心者向けではありません。業者に頼むより費用は抑えられますが、その分仕上がりの質は業者より劣ってしまうことも多くあります。
かえって費用がかさんでしまう場合もあるので、プロに任せたほうが安心です。
まとめ
最近では、畳の部屋が少なくなってきており、家の中のすべての部屋がフローリングの洋室であることも多いです。畳をフローリングにリフォームすることによって、生活しやすくなることも多いですが、防寒性や防音性などは畳に比べて劣ります。また、その後の内装なども考慮した上で検討してみてください。
DIYでもフローリングへのリフォームは可能ですが、プロの業者と仕上がりを比べるとあまりおすすめできません。
そのことを把握したうえでリフォーム業者を探している場合は、床施工の実績が多くて、安心した仕上がりに期待できる「私たちへ」へご相談ください。
株式会社霜鳥は床材を取り扱うプロでありながら、それらを扱って施工するプロでもあるので、床材の選択など分からないことがあっても丁寧に対応できる強みがあります。
ぜひ一度検討してみてはいかがでしょうか。