長年使用し、傷や汚れが目立ってきたフローリング。
使用している材質によっては、反りや毛羽立ちなども起こります。
「そろそろ張り替えかな。」と考えたとき、失敗せずに綺麗に張り替えたいし、やはり費用が気になります。
今回は、張り替え時に失敗しないために必要な準備やポイント、費用などを分かりやすく紹介します。
これからのリフォームプランニングの際にぜひお役立てください。
目次
20畳のフローリング張り替え費用は?
張り方の種類
フローリングの張り替えには、古い床材を剥がして新しい床材を貼る「張り替え」と、
既存の床の上に新しい床材を重ねる「重ね張り」の2種類があります。
張り替えの場合は床材を剥がすための施工費や廃材の処分費などがかかりますが、
上張りの場合はそれらの費用がかからないため張り替えに比べて費用を抑えることが可能です。
材質による費用の違い
無垢フローリングと複合フローリングの2種類の床材があります。
無垢材フローリングは、100%天然木を使用した昔から使用されているフローリング。
木目の柔らかい肌触りを感じることができます。
また、湿気を保つ調湿機能を持ち、年を重ねるごとに味わいが増していく点も魅力です。
複合フローリングは今やフローリング床材の主流となっています。
複合(複層)フローリングとは、基材(合板、集成材、単板積層材など)の表面に化粧材を張り合わせたもの。
商品的には、戸建て用とマンション用、床暖房用、防音用、水まわり用などが揃い、リフォームに適するタイプもみられます。
20畳フローリングの張り替え費用の相場
フローリングの張替えには以下の費用が掛かってきます。
(工事代)
・無垢フローリング…
・複合フローリング…
・解体費…
・処分費…
(フローリング代)
フローリングを新しくする際、まずは、無垢材か複合材を選択肢することになります。
それぞれの費用は大きく異なり、様々な要素に左右されるため、正確な見積もりを得ることが重要です。
無垢フローリングの場合、一平方メートルあたり約11,000円から15,000円が相場です。
20畳(約36平方メートル)の部屋を張り替えるとすると、396,000円から540,000円の間になります。
無垢材はその自然な美しさと耐久性で知られていますが、価格もそれに応じて高くなります。
一方、複合フローリングの場合は、一平方メートルあたり約8,000円から12,000円です。
同じ20畳の部屋で計算すると、288,000円から432,000円が目安となります。
複合フローリングは、コストパフォーマンスに優れ、メンテナンスも容易なため、多くの家庭で選ばれています。
どちらの材料を選択するにせよ、施工費用も考慮する必要があります。
また、床の下地の状態や既存のフローリングの劣化具合によって、追加の修理や補強が必要になる場合もあります。
そのため、実際の費用は見積もりを業者に依頼することで正確な数字を知ることができます。
フローリングの張り替えは、部屋の見た目を大きく変えるだけでなく、快適性や機能性を向上させる効果もあります。
適切な材料選びと予算計画により、理想の空間を実現しましょう。
20畳フローリングの張り替えに必要な期間
張り替えにかかる日数は、およそ4日〜6日程度。
家具の移動なども含めると実際はもう少し掛かりそうです。
工事中は当然部屋の中に入ることができないため、計画的に依頼しましょう。
また、この施工日数は重ね張りか張り替えかによって差が出てきます。
重ね張りであれば施工期間が短く済む場合もありますので、業者さんへ事前に聞いておくことをおススメします。
張り替えを行う際の注意点とポイント
施工によるメリット・デメリット
上記でも説明しましたが、フローリングのリフォームには「重ね張り」と「張り替え」2種類の工法があります。
それぞれのメリット・デメリットをよく理解して施工方法を決めましょう。
重ね張り
既存のフローリングをはがす必要がなく、ゴミも出ないので、その分工事期間も短くなりますし、解体費や処分費がかからないのでリフォーム費用が抑えられます。
しかし、新しく張ったフローリング材の厚みの分だけお部屋全体の床が上がり、敷居や造り付けのクローゼットやドアなどとの高低差が変わってしまい、扉が開かなくなってしまう可能性も。
また、基本的にフローリングからフローリングへの張り替えのみに可能な工法なので、マンションで多く見られる、カーペットからフローリングへの変更をしたい場合では選ぶことができません。この点も要注意です。
張り替え
既存のフローリング材をはがして、新しいフローリング材を張るので、下地の傷みや腐食、シロアリの問題も解決できます。
新しく張る床材の材質も変えることが可能なほか、下地の高さ調節も行えるのでバリアフリー化するときは、重ね張りではなく張り替えが推奨されています。
すべての床材をはがすので、工期が長くなってしまい、費用が高くなります。
賃貸マンションのフローリングを張り替えたいとき
マンションでは階下への騒音に関するトラブルが非常に多くなっています。
遮音性能の低いフローリングを使用すると階下への騒音トラブルにつながる為、管理規約や細則によって、床面に使用するフローリング材の遮音等級の制限を設けることが一般的となっています。
また工事中は騒音が出て、隣近所に迷惑がかかることも考えられます。
そのため、管理規約には「住戸内をフローリングに変更する場合には上下左右の住人の書面による承諾を得ること」などの制限を設けてあったりします。
トラブルを防ぐため、承諾書を得る際に、「騒音があるようでしたらお声がけください。」といった一言を添えると、工事終了後もいい関係が保てる効果が期待できます。
管理規約はお住まいによって異なりますので、事前に大家さんや管理会社に相談をし、業者さんと規約の確認を行い、それに基づいた工事をしてもらいましょう。
DIYでも張り替えはできる?
結論から言うと可能です。
材料や工具はホームセンターで入手でき、具体的な作業手順もインターネットで調べればわかります。
ただし床と壁が接する部分の始末が難しく、思い通りの仕上がりにならない可能性や、最悪失敗して最初からやり直しなんて事態に…。
また無垢フローリングのDIYは複合フローリングの施工に比べて難関度が高くなります。
無垢材は膨張・収縮する性質がある為、適切な間隔を考慮してフローリングに張り付ける必要があります。もし、張り方が不適切であった場合、時間が経つにつれて隙間が生じてしまう恐れがあります。
プロの施工業者は無垢材に使われる天然木の特性を熟知しています。
専門の工具を使い、隙間を作ったり逆に敷き詰めて張ったり、木材が伸び縮みすることを前提に作業しています。
DIYは費用を抑えられることがメリットですが、きれいな仕上がりを求めるならプロのリフォーム業者へ依頼しましょう。
フローリングの張り替え前に知っておきたい!成功の秘訣
張り替えをした後で『失敗した…!』と気付くのは避けたいもの。失敗しないためのポイントをおさえた上で、リフォーム計画を進めていきましょう。
面積によってフローリングの濃薄が違って見える
面積効果とは、同じ色の物でもその面積によって異なる色に見えることを指します。
この現象はフローリング選びにおいて重要なポイントです。
面積が広がるにつれて、色の彩度や明度が変化するため、小さな見本だけで色を決めると、実際に施工した時の色味が想定と異なる場合があります。
例えば、部屋全体に敷く場合は、サンプルよりもワントーン暗めの色を選ぶと良いでしょう。
逆に、暗めの色を選ぶ場合は、実際の空間ではワントーン明るめに見えることを想定して選択するとバランスが取れます。
フローリングの仕上がりには、色だけでなく木目の表情も大きく影響します。
シミュレーションでは満足していたデザインでも、実際に施工された後の見た目が異なることがあります。
特に、木目の強調やデザインの微妙な違いは、事前の打ち合わせや確認で予期せぬ誤解を避けることができます。
そのため、施工前には詳細な打ち合わせを行い、不明点や懸念事項は事前に解消しておくことが大切です。
フローリングを選ぶ際は、面積効果を理解し、実際の空間でどのように見えるかを正確に把握することが重要です。
この理解をもとに選択を行うことで、失敗のないフローリング選びが可能となります。
バランスが悪くなり色や柄がチグハグ
家具や建材とのバランスは非常に重要な要素です。
異なる色や柄を選ぶことにより、部屋全体がまとまりなく見えてしまいます。
壁紙や天井、使用中の家具とフローリングがうまく合うのか考えて選ぶ必要があります。
壁紙や家具、天井の色とフローリングが調和することで、部屋全体が一体感を持ち、きれいで整った印象を与えることができます。
例えば、明るい色の壁紙には、同じく明るい色のフローリングを選ぶことで、空間を広く見せる効果があります。
逆に、ダークトーンの家具が多い場合は、それに合わせたフローリングを選ぶことで、落ち着いた雰囲気を演出できます。
このように、フローリングを選ぶ際には、単に自分の好みだけでなく、既存の家具や建材とのバランスを考慮することが大切です。
部屋のトータルバランスを見極め、最適なフローリングを選ぶことで、理想の空間を実現しましょう。
つまずきやすくなる!扉が開かなくなる
見落としがちなのが敷居の高さや扉との取り合いです。
新しいフローリング材の厚みによっては、床の高さが変わり、これまでと敷居の高さが合わなくなることがあります。
また、扉が開閉できなくなってしまいます。
特に、厚みのある素材を選んだ場合や、断熱や防音のために下地材を追加する場合、床面が上がる可能性があります。
この高さの違いが大きいと、様々な場面でトラブルが起こります。
そのため、フローリングの選定と同時に、敷居の高さも再検討し、必要に応じて調整することが大切です。
調整が必要な場合は、扉を加工したり、敷居を取り換えたりしなければなりません。
しかし、これには追加の工事が必要となり、コストが高くなり工期も延びることになります。
マンションの場合のは管理組合に申請が必要
マンションでフローリングの張り替えを検討している場合、一人で勝手に進めていくことができません。
理由は、マンションの改修には管理組合のルールが存在し、事前の申請や周囲の住民との協議が必要になるからです。
これには、リフォーム作業が他の住戸に影響を及ぼさないようにするための防音措置など、特定の条件が含まれていることが多いからです。
特にフローリングの場合、防音性能の高い材料を選ぶことで、生活音によるトラブルを避けることができます。
リフォームを進めるにあたって、管理組合に相談し、必要な手続きを確実に行うことが必要です。
こうすることで、スムーズにリフォームを進め、快適な住空間を実現することが可能になります。
ペットに優しい床の検討も
ペットの事を考えてあげる事も重要です。
特に、犬や猫などの家庭動物は毎日の生活の中でフローリングの上を歩き回ります。
ペットがフローリングの上で過ごす時間が長いと、滑りやすい表面では足腰への負担が増え、長期的には健康問題を引き起こす恐れがあります。
足の痛みや関節の痛みは、ペットにとって大きなストレスとなり、その生活の質を大きく下げることになるでしょう。
幸いなことに、市場にはペットに優しいフローリング材が豊富に存在します。
これらの材料は、滑りにくさや耐傷性に優れており、ペットが安心して遊び回れるように設計されています。
例えば、特殊な加工が施されたラミネートフローリングなどがあります。
これらのフローリングを検討することで、ペットも人も快適に過ごせるでしょう。
床暖房の検討をする
冬場の冷え込む季節に、足元からぽかぽかと暖かさを提供してくれる床暖房は、多くの家庭で愛用されている設備です。
このシステムは、空気を乾燥させずに温度を調節できます。
フローリングのリフォームを計画しているなら、床暖房の導入を同時に考えることで、工事費用を抑えられる可能性があります。フローリングの張り替えを考える際は、床暖房の導入も同時に検討してみてはいかがでしょうか。
20畳のフローリングの張り替えもお任せください
フローリングの張り替えを検討されている方へ
20畳のフローリングリフォームは、選択する素材によって変わりますが、だいたい30万円から50万円程度が目安となります。具体的な内容や費用の見積もりについては、ご相談ください。
私たちは、一級フローリング技能士が、お客様の大切な床を新しくするお手伝いをしております。
お客様のご要望を伺い、それに応じてプランニングさせていただきます。
ただのフローリングリフォームではなく、総合的にどんなフローリングリフォームにすればいいかアドバイスさせていただきます。まずは、ご要望を私たちにお聞かせください。共に理想の床を創りましょう。