【大惨事】フローリング重ね張りで失敗で起こる事とは?成功させるためのポイント

「床を張り替えるのは大変そうだし、重ね張りなら手軽で安く済みそう」
近年、そんな理由でリフォーム時に「フローリングの重ね張り(重ね貼り)」を選ぶ人が増えています。
確かに、既存のフローリングをはがさず、その上から新しい床材を張る方法は、工期も短く、費用も抑えられるというメリットがあります。しかし、一方で安易に選ぶと「想定外のトラブル」や「生活のしづらさ」を引き起こすこともあるのです。
本記事では、フローリングの重ね張りに潜む失敗例やデメリット、事前にできる対策、そして後悔しないための成功ポイントまでをわかりやすく解説します。

フローリングの「重ね張り」とは?

重ね張りとは、既存のフローリングを撤去せず、その上から新しいフローリング材を張るリフォーム方法です。

メリット

・既存の床を壊さずに済むため、工事費が抑えられる
・工期が短く、1〜2日で施工できる
・ゴミや騒音が少なく、住みながら工事も可能

向いているケース

・床材が比較的しっかりしており、下地の痛みが軽微な場合
・費用を抑えて床の雰囲気を一新したいとき
・一時的なリフォームや賃貸物件など
しかし、一見手軽なこの方法も、間違った施工や下調べ不足によって、思わぬ失敗を招く可能性があるのです。

フローリング重ね張りで起こる5つの失敗

① 床材の厚みが増して、ドアや家具と干渉する

フローリングを重ねると、当然ながら床全体の高さが数mm〜1cm以上上がることになります。
その結果、
◆ドアの開閉時に床とこすれる
◆クローゼットや引き戸がスムーズに動かなくなる
◆家具を置くと傾いたりガタついたりする
といった問題が起こりやすくなります。特に重たいタンスや本棚では、下にスペーサーを噛ませる必要が出てくるなど、見た目のバランスも崩れがちです。

② 床暖房が効きづらくなる

既存の床暖房の上に重ね張りをすると、熱が新しい床材を通して伝わりにくくなり、暖房効果が大幅に下がることがあります。
さらに、釘やビスが配管に誤って刺さるリスクもあり、修理が非常に困難になります。

③ 下地の劣化やカビの存在に気づけない

床の下地がすでに腐食していたり、カビが発生していたりしても、重ね張りではそれを確認できません。
そのまま施工すると、見えない部分で劣化が進行し、数年後に床が沈んだり、ブカブカと音がしたりするようになります。

④ 音鳴りや床鳴りが起きやすくなる

下地の状態や施工の精度によっては、重ね張りしたフローリングの継ぎ目や床下で「ミシミシ」「ギシギシ」といった音鳴りが発生することも。日々の生活の中でストレスの原因になりやすいトラブルのひとつです。

⑤ 費用は抑えたのに「結局またやり直し」に

重ね張りを選んだことで、当初の施工費は確かに抑えられたかもしれません。
しかし、不具合が生じて「結局張り替えに逆戻り」することになれば、二重の費用と手間が発生してしまいます。

こんな症状があれば重ね張りはNG!下地のチェックポイント

以下のような症状が見られる場合は、重ね張りではなく「既存フローリングの撤去+張り替え」を検討すべきです。
◆歩くと床が沈む・たわむ感じがする
◆表面に大きな反りや割れがある
◆長年放置された水漏れや結露の形跡がある
◆湿気が多く、床下の通気性が悪い構造
◆築20年以上経過している木造住宅
これらは下地の腐食・シロアリ・カビなどのトラブルが隠れている可能性が高く、重ね張りで上から隠してしまうと深刻化するリスクがあります。

それでも重ね張りを選びたいなら?失敗を避ける5つの対策

重ね張りを行うにしても、適切な材料選びと施工判断が重要です。
以下の5つの対策を講じることで、失敗リスクを大きく減らせます。

① 厚みの薄いフローリング材を選ぶ

重ね張り専用に「厚さ3〜6mm」の薄型フローリング材が販売されています。
高さの影響を最小限に抑えることができ、ドアや家具との干渉も軽減されます。

② ドアや敷居まわりの高さ調整を検討

床材を削ったり、ドアを切り詰めたりするなど、開閉トラブルを回避するための微調整が必要なこともあります。
DIYでは難しいため、施工業者と事前に対策を相談しましょう。

③ 床下の状態を事前にチェックする

可能であれば、一部の床材をはがして下地の状況を確認することをおすすめします。
目視確認だけでなく、床下カメラや点検口からのチェックなど、信頼できる業者に依頼しましょう。

④ 床暖房がある場合は“張り替え”を選ぶ

床暖房がある場合、熱伝導率や安全性の観点から重ね張りは推奨されません。
既存の床材をはがし、床暖房対応のフローリング材を使って張り替える方が確実です。

⑤ 信頼できる業者に現地調査・相談を依頼する

判断に迷う場合は、まずプロに現地を見てもらうことが最善です。
「重ね張りを勧められたけど、本当に大丈夫?」という疑問は、現地調査でしか解消できません。

成功の鍵は「家の状態に合った方法」を選ぶこと

フローリングの重ね張りは、たしかに手軽でコストパフォーマンスの高い工法です。
しかし、それが“自宅の状況に本当に合っているのか”を見極めることが成功の第一歩です。
築年数、床の劣化状況、床暖房の有無、ライフスタイル、将来の住み替え計画など…
重ね張りに適した条件が整っているかを確認し、その上で適切な施工方法を選びましょう。

まとめ|「手軽な選択」が後悔につながらないために

フローリングの重ね張りは、正しく行えば美しく仕上がり、費用も抑えられる素晴らしい工法です。
しかし、安さや手軽さだけに目を向けてしまうと、思わぬ失敗や生活の不便、さらなる出費を招くことになります。
◆床の状態をよく確認すること
◆薄型の床材や開閉の調整を検討すること
◆床暖房や劣化がある場合は無理に重ね張りしないこと
◆専門業者と相談しながら進めること
これらをしっかり押さえておけば、重ね張りの魅力を最大限に活かし、快適な空間を手に入れることができます。
リフォームは「見た目の変化」だけでなく、「暮らしやすさ」を守るための選択でもあります。
長く安心して使える床づくりのために、ぜひこの記事を参考にしてみてください。

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