長年住んでいる家のフローリングは、知らない間に経年劣化していきます。フローリングについて「張り替える目安が分からない」「DIYで張り替え可能なの?」などと、悩んでいる人もいることでしょう。そこで今回は、フローリングの張り替えについて、疑問に感じやすい内容を紹介していきます。
本記事を読めば、フローリングの張り替えに関する施工方法や費用について詳しくなり、実際に施工する場合に役立ちます。今、フローリングの張り替えでお悩みの人は、参考にしてみてください。
目次
フローリングの張り替えとは
フローリングの張り替えは、部屋の床に使われるフローリング材を、古くなったり傷んだりしたものから新しいものに張り替える作業のことです。フローリングの張り替えには、床を解体し、下地の修正や補修、新しいフローリング材の敷設、ワックスやクリアコートの塗装などが含まれます。
フローリングの張り替えをすることで、部屋の美観や耐久性が向上します。
張り替えと重ね張り(上張り)の違い
張り替えは、元の床材を剥がしてから新しいフローリング材を張り直す作業です。一方、重ね張り(上張り)は、既存の床材の上に、新しいフローリング材を被せる方法です。張り替えと重ね張り(上張り)のメリット・デメリットを分けると、以下のようになります。
メリット | デメリット | |
張り替え |
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重ね張り(上張り) |
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張り替えに比べて施工時間や費用が削減されるため、手軽な方法として重ね張りを選ぶケースが多々ありますが、注意すべき点があります。重ね張りの場合は、床の高さが上がってしまうため、ドアや家具の引き出しといった部分の隙間が詰まってしまう恐れがあり、ドアや引き出しの開け閉めがしにくくなってしまいます。
フローリングの張り替えを検討する目安は?
フローリングの張り替え時期の目安は、経過年数と現状のフローリングの状態で検討するとよいでしょう。以下に、順番に紹介していきます。
経過年数で検討する
フローリングの経過年数とは、フローリングを施工してからの年数をいいます。無垢フローリングの場合は30年以上、複層フローリングは10~15年といわれています。
ただし、そのフローリングの材質や使用状況・日常的なメンテナンスの頻度によっても年数は変わってきます。
フローリングの状態で検討する
フローリングは、使用環境や状態によって経過年数に達していなくても、張替えを検討したほうが良い場合があります。
張替えの検討をしたほうがよいのは、以下のような状態です。
- 床の表面に傷やすり減りが目立ってきた
- 多数の反りや湾曲がみられる
- 床材に変色や斑点が発生している
- 床の弾力性がなくなってきた
フローリングの一部だけを張り替えできる?
部分的にフローリングを張り替えることも可能なので、重いものを落としてしまって一部分だけ変えたいときには検討してもよいでしょう。ただし、新しいフローリングを古いフローリングと合わせることができるかどうかは、フローリングの種類によっても変わってきます。
たとえば、複層フローリングの場合には、見た目の溝と実際の切れ目が一致していないことが多くあります。また、フローリングは、接着剤だけでなく「さね」と呼ばれる凹凸の溝が交互に合わさって施工されています。さねを切り落として接合する方法と残す方法があります。
色合いや質感が適合するかどうかは、取り替えるフローリングの種類と既存のフローリングの状態によって異なるため、専門業者に相談するようにしましょう。専門家に相談すると、適切な工程と予算を確認できます。
フローリングの張り替えはDIYできる?
フローリングの張り替えはDIYができますが、キレイに仕上げるには専門業者に依頼することをおすすめします。フローリングの張り替えは、単純に張り替えるだけでなく床が水平になっているか確認をし、誤って床下に配線や配管が通っていないかを確認する作業も必要です。
もし、DIYで張り替えを行う場合は、事前に必要な道具や材料の調達、作業計画や安全対策を立て、慎重な作業が重要になってきます。専門の業者に依頼することで、手間をかけずにキレイな仕上がりにしてくれます。
マンションでフローリングを張り替える際の注意点
マンションでフローリングを張り替える際は、戸建てよりも気を付ける場合が多くあります。
ここでは、賃貸か持ち家かに分けて、マンションのフローリングを張り替えるときの注意点を紹介していきます。
賃貸の場合
賃貸マンションのフローリングを張り替えるときの注意点は、大家さんに張り替えることを伝えなければなりません。なぜなら、借主である入居者は原状回復義務があるためです。原状回復義務とは、賃貸物件や施設を借りた際、借り手が使用する際に行った変更や修繕などを、元の状態に戻すことが求められる法律上の義務のことです。
例えば、壁に穴をあけた、家具を設置した、ペンキを塗ったなどの場合、契約によっては退去時に原状回復を求められます。借り手が原状回復しなかった場合、費用を請求されることがあります。入居者のフローリングの張替え費用は、入居期間によって変わってきます。契約時に敷金返還規約を確認しておき、思わぬトラブルにならないようにしましょう。
持ち家の場合
所有しているマンションの場合、基本的に全額住んでいる人が払わなければなりません。張り替えの注意点は、賃貸の場合は退去時に張り替えるようになる場合が多くあります。それに対して、持ち家の場合は生活をしながら行うケースが多いでしょう。
そのため、施工方法によって問題がないか、よく確認しておくことが必要です。たとえば、重ね張りで施工する場合には、どうしても床に厚みが出てしまうため、施工後はドアや引き出しの開け閉めが問題なくできるか、あらかじめ確認しておかなければなりません。持ち家に限らず、賃貸もマンションのフローリングには、管理規約に遮音性のあるフローリングを選ばなければならない場合もあります。
フローリングの張り替え費用を決める3つの要素
ここまで、フローリングの張替えや張替え期間の目安を紹介してきました。張り替え費用は、以下の3つの要素が重要です。
- 施工面積
- 施工方法
- 床材
以下では、張り替え費用の3つの要素について、ひとつずつ説明します。
施工面積
フローリングを張替えするときには、施工に必要なフローリングの面積を算出する必要があり、この面積のことを施工面積と呼びます。施工面積は、部屋の床面積を計算してから、フローリング材自体のロスや施工のためにある程度余裕を考慮します。
正確な施工面積を算出することで、フローリングの必要な枚数が把握でき、効率的なリフォームが可能になります。
施工方法
張り替えを行う上で、フローリングの施工方法も費用に関係があります。フローリングの張り替えには大きく分けて以下の2つの方法があります。
床材を撤去し、木部の状態を確認してから新しいフローリングを取り付ける方法 既存のフローリングを撤去せずに、その上から新しいフローリングを貼り付ける方法
先述の張り替えと重ね張り(上張り)の違いでも説明したように、重ね張りのほうが費用は安くなります。どちらの方法を選定するかは、既存の床材の状態・予算・工期などによって異なります。
床材
フローリングの床材とは、大きく分けて複層フローリングと無垢フローリングがあります。床材の費用がそれぞれ異なるため、張り替え費用も変わってきます。
複層フローリング
複層フローリングとは、表面に木目模様のある天然木の薄板を貼り付けた床材で、中に合板やMDFなどの人工素材を使用したものをいいます。複層フローリングのメリットは、割れ・反り・縮みの問題が少なく、安定性が高く、短時間での施工が可能な点です。また、価格帯が幅広いので、予算にあわせて購入できます。
しかし、無垢フローリングと比べて、- 完全な天然木床と比べると、耐久性・耐摩耗性が低く交換頻度が高い点がデメリットです。
無垢フローリング
無垢フローリングとは、天然木の一枚板を使用した床材をいいます。無垢フローリングのメリットは、耐久性や耐水性に優れ、年月が経つにつれて味わい深い風合いを楽しめる点です。
一方で、無垢フローリングは材料が高価で、施工費用も高くなる傾向があります。また、手入れやメンテナンスにも手間がかかります。加えて、湿度や温度の変化によって反りやゆがみが生じることもあるため、施工前の下地の調整が重要です。
フローリングの張り替え費用相場
ここまで、フローリングの張り替え費用を決める要素を紹介しました。実際に施工した場合、どのくらい張り替え費用がかかるか相場としてどれくらいかを紹介します。
【使用する床材別の費用相場(6畳の場合)】
使用する床材 | 張り替え | 重ね張り(上張り) |
複層フローリング | 約12万〜16万円 | 約10万〜12万円 |
重ね張り(上張り) | 約14万〜17万円 | 約11万〜14万円 |
無垢フローリング | 約15万〜18万円 | 約11万〜14万円 |
【施工面積別の費用相場(フローリングにする場合)】
使用する床材 | 張り替え | 重ね張り(上張り) |
複層フローリング | 約10万〜15万円 | 約9万〜12万円 |
重ね張り(上張り) | 約12万〜18万円 | 約10万〜14万円 |
無垢フローリング | 約14万〜23万円 | 約12万〜17万円 |
フローリングの張り替え費用を決める要素でも紹介した通り、無垢フローリングよりも複層フローリングの方が安く施工できます。防音フローリングとは、おもにマンションなどに用いられる遮音性を高めたフローリングです。また、施工方法に関しても、張替えよりも重ね張りの方が施工費用を抑えられます。
張り替えならナオスフローリングやナオスシートも検討しよう
フローリングの張替えを検討していて、なるべく費用を抑えたいけど重ね張りができない場合には、ナオスフローリングやナオスシートがおすすめです。ナオスフローリングとは、約0.2mmの厚さで既存の床材の上から施工できるフローリングです。また、ナオスシートは切って貼るだけのフローリング用床張り用のシートになっています。
厚みが薄いので、通常の重ね張りができないような部屋にも施工可能で、費用を抑えられるメリットがあります。
まとめ
フローリングの張り替えは、施工方法や床材によって費用が大きく変わってきます。本記事で紹介したナオスフローリング・ナオスシートは、どのような部屋にも施工しやすいのでおすすめです。一部だけDIYで張り替えることもできますが、失敗せずに施工するためには、専門業者に相談しておきましょう。
霜鳥(https://shimotori.jp/)では、フローリングのノウハウがあるので、的確にアドバイスや施工ができます。今回おすすめしたナオスフローリング・ナオスシートを取り扱っているので、気になった人やフローリングの張り替えについて悩んでいる人は、霜鳥(https://shimotori.jp/)に相談してください。